先週、3月21日から23日にかけ、当院は日本医療機能評価機構の審査を受けました。
ご存じない方は是非HPでご覧頂きたいのですが(http://jcqhc.or.jp/)、要するに病院機関の質に対する第3者評価です。
機能評価機構認定病院の印

日本の医療界では、従来「品質管理」という概念自体が希薄でした。
考えてみればおかしな話です。
今でこそ、病院ランキング本は掃いて捨てるほどありますし、ネット上でも色んなサイトがあります。ですが、一昔前を思い出してみて下さい。国民は、自分の命を預ける「医療」というサービス、そのサービスを提供する医療機関に対して、事前には何の情報も持ち合わせていなかったのです。しかも、他のサービス業は金額の多寡を含め、自分で選ぶことが出来ます。「サービスの質は少しぐらい落ちてもいいから安いホテルに泊まりたい」「お金は出すから高級なホテルがいい」といった具合です。
ところが、医療の場合、救急車で運ばれた場合が特にそうですが、提供されるサービスの質を事前に知ることはできません。また、その様な時間的余裕もありません。もちろん、事前の見積もりもありません。その一方、医療に対する患者側の負担は、保険の中身や年齢などによって国が決める、公定価格です。
でも、提供される医療サービスの質が良くても悪くても一律同じ値段で、しかもそのサービスの質を事前に知ることが出来ないなんて、やっぱりおかしいですよね。

その解決策のひとつが、第3者機関による審査、日本の場合は医療機能評価機構による審査です。それ以外にも、ISOとかJCIとか、国際規格による第3者評価を受けている所もあります。
そう言う国際規格に比べると、日本医療機能評価機構はまだまだ甘いらしいですが、それでも評価される項目は多岐にわたります。
医療の質がどのように担保されているか、という点(個々の医療行為が適切であるか否かについては審査しません。あくまでも品質管理がなされているのかという視点です)で審査を行います。関連法規の順守はもちろん、検査精度の確保、放射線防護、危険な薬剤の管理状況、廃棄物処理過程など、病院の機能という視点から比較的わかりやすいものもありますが、それ以外にも経営者・幹部の指導力や意思決定システム、職員のスキルアップや労働環境、経営状態、財務状況、その他もろもろ、実に細かい点まで審査されます。
なれ合いを避けるために、審査員は遠隔地から選ばれるという念の入れようです。

当院も、平成10年に初回受審(精神科病院としては日本で3番目、本州では初めてです)してから、今回で4回目ですが、それでも本当に大変でした。
以前は、これを取得することが診療報酬上のメリットになるだろうと言われましたが、どうも近年の動きを見ているとその目は乏しそうです。取得率も低迷していると聞いています。
それでも、大変な思いをしてこの審査を受けることは病院全体の活性化を促し、ひいては医療(だけではない)サービスの質の向上につながることと思っています。

審査は終わりましたが、病院のレベルアップに終わりはありません。やる気が萎えないうちに、サービス向上の継続性を整えなくてはなりません。

受審を終えたその日に、複数の職員から「是非、業務改善委員会を立ち上げましょう」という提案があり、内心とても嬉しく思いました。職員が自ら病院の改善に前向きになってくれるので、ウチもまだまだ伸びるでしょう。
ウチの職員は頼もしいです。
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ちょっと遅れてしまいましたが、本当は3月11日に更新するつもりでした。

今日はニュースでもこの話題で持ちきりです。もちろん、東日本大震災のことです。
あれから丸2年経ちましたが、まだ生々しい傷跡が残っています。

当時私は茨城県土浦市に住み、東京医大茨城医療センターに勤務していました。
たまたま、週1回の非常勤で愛知県にいたため震災の本番は難を逃れましたが、その後2日かけて茨城まで戻り、そのあと数日間泊まり込みました。幸いにしてガス以外のライフラインは復旧していましたが、ガソリンの枯渇や飲料水・食糧難などに数日間悩まされました。
その後も、国からの指令でいきなり「今日福島からの患者を搬送するから、〇時に受け入れろ」と指令が来て、その後も「除染はそっちで行え」「やっぱり途中で除染してから行く」「到着が●時間遅れる」「やっぱり今日は無し」と、二転三転四転、非常に振り回されました。私達は私立なのでまだ良かったのですが、公立病院や済生会病院、赤十字病院などは「×月×日×時頃到着するから、これこれの患者を△名受け入れろ」と有無を言わさぬ指示が来て、てんやわんやだったようです。まぁ、あの大混乱のさなかではある程度致し方なかったのであろうとは思いますが。
近隣の運動公園や公民館、体育館などでは被災した人を大量に受け入れており、福島ナンバーの車が大量に停まっていました。当院の医師たちも、避難所に出向いて診療や衛星相談に乗ったりしていました。スリッパがなくなるとか、ペットの事でトラブルになるだとか、トイレが足りず衛生環境が劣悪だとか、生々しくも解決困難な悩みをたくさん聞きました。
病院の駐車場もひび割れ、停まっていた車も傾いていました。
東医駐車場のひび割れ

それだけではなく、家にいても病院にいても余震が毎日のように起こっていましたし、1週間ほどは毎晩何度も余震で起こされました。
道路も波打ち、路面はひび割れ、常磐道でも路面がガタガタで、危なくて60㎞/h位しか出せませんでした。
傾いた電柱

湾曲した路面

余震はつい最近まで月数回の割合で起こっていましたし、霞ヶ浦付近の堤防もやっとつい最近、震災で破損した部分の修理が始まったばかりです。

今年の3月11日は、会議の際に皆で黙祷を捧げました。

愛知県の人は、阪神大震災の時も今回の震災も、極めて危機感が乏しく、対岸の火事だと思っている人が大多数です。ですが、他人事ではありません。近い将来起こると言われている、東海・東南海・南海地震の時にはどうなるかわかりません。
当院でもBCPの策定が急務です。

何はともあれ、被災地の復興がよりスムーズに進むことを切に願います。

改めて、震災や関連で亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。