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2012.11.15 逐次処理
男の頭は1度に1つの事しかできないと言います。
私自身もそう思います。
コンピューターで言えば逐次処理という奴です。
ですが、特定の場面・状況においては、訓練で並列処理に近いこともできるようになります。
もっとも、高速で逐次処理をしているに過ぎない、ということかもしれませんが。

*******

あれは卒後何年目ぐらいだったでしょうか・・・。
某総合病院で救急当直をしていたときです。私の他に2年目と1年目の研修医がいました。
救急車で搬入されたおじいさん。
意識ははっきりしていますが、迅速な処置が必要な状態です。

点滴を指そうと血管を探しながら、看護師さんや研修医たちに指示を出していると、頭の上から声が降ってきました。
「おいおい、頼むよちゃんと集中してくれぇ」
ひとまず「大丈夫です」と安心させつつ、更に血管を探し続けます。
血管は少し細めで慎重さを要しますが、難物と言うほどではなさそうです。
指先の感覚を最大限鋭敏にして、血管の感触を探ります。
「先生、CTどこ撮ります?」
「頭から骨盤まで。胸腹部レントゲンと心電図もオーダーしといて」
「先生、血ガス取ります?」
「おう、頼むよ。あと尿も」
「バルンはどうします?」
「それは後でいいや」
「おいっ、大丈夫なのか?ちゃんとやってくれよ」
・・・

患者さんには、「余計なことを考えながら点滴などされては、失敗されるかも」と言う恐怖感があるのでしょう。
実はこれ、点滴準備のために血管を探してる最中なので、実際の危険はないんですが、
患者さんの立場からしてみればもっともな話です。

この時、頭の中では色々考えながら、目から入ってくる情報はほぼスルー、血管は指先の感触で探しています。
脳内では逐次処理なので、いざ針を刺す瞬間だけは100%手元に集中しますが、
針が血管に入って注意を分散できる体制になると、さっと別の部分に配分します。

神経内科の診察場面でも同様で、患者さんの話を聞き、身体診察をしながら、頭の中は結構違うことを考えています。
(50歳女性、10日から亜急性に進行する動眼神経麻痺でDMはない。あまり梗塞って感じじゃないな。動脈瘤は要鑑別だな、MRAは必要か。MGも見なくちゃだから、あとで日内変動聞いておこう。抗体も出さなくちゃ。少し眼痛あるし、THSや上眼窩裂症候群も考えなきゃな。頭蓋底に何かあるかも。冠状断も入れとこう。下手すると造影がいるか。喘息聞いとこう。腫瘍の鑑別はそれでいいとして、MLやMMも考えておかなきゃな。おっと、MSをわすれちゃいかん。過去の病歴はもっと詳しく聞かんとな。まずは視力障害・・・)
こんなことを考えながら、脳神経系、運動系、失調、錐体外路系、感覚・・・とパッパッと診察していきます。
学生や研修医の時は、先輩医師達のワザを見ながら「どうしてこんなことができるんだ!?」と目を丸くしていたものですが・・・日々の繰り返しの賜物でしょうね。

それでも私の頭の中は逐次処理です。せいぜい並列できても、2つ位。
その点、女性は並列処理ですので一度に色んなことができます。TVを見ながら料理をし、かつ電話でおしゃべり、てなことも出来ちゃいます。
うらやましい能力ですが、近年女性が男性化しているといわれます。もしかしたら、今後並列処理のできない女性も増えるかもしれません。
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