2013.01.16 心に残る失敗
医師の業務の最も重要なものの一つに、診察があります。
ですが、この診察という行為、患者さんやご家族とのやり取りであるだけに、医師の人間性がモロに出ます。
専門の科に関係なく、医師の診察スタイルは、本当に千差万別です。
穏やかに、にこやかにやる医師。
笑顔と笑いが絶えない医師。
真剣な顔で、真面目一徹にやる医師。
難しい、険しい顔でやる医師。
怒っているようにすら見える医師。
起きているのか寝ているのか分らない医師。

私はどちらかというと、あいさつや問診はできるだけにこやかに優しくやりますが、ついつい真剣な(時に怖いと言われる)顔になってしまいます。

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研修医2年目の4月から3ヶ月間、第1外科で研修しました。
1年後輩の女医さんと共に、ちょいと先輩気分で。
Pさんは、50前後の男性で、男性乳腺症(結構珍しいのだそうです)。検査のための入院でした。

ある日、後輩の女医さんと一緒に朝の病棟回診をしている時、Pさんから何かの質問がありました。
たまたま、自分が勉強したばかりで知っている内容だったので「来た!しめしめ」と思って、得意満面で答えてやりました。
今から思えば、ちょっと奢っていたのかもしれません(もちろん、当時の私にそんな意識は毛頭ありませんでしたが)。きっと、いやらしい笑顔だったんでしょう。


その日の午後、教授回診の場で、教授が回ってくるや否や、開口一番「僕はもう、この先生の診察は受けたくありません」
(何ぃーーーーーーっ!?)
青天の霹靂とはまさにこのこと。


直接の指導医(助手)、チームリーダー(講師)も呆気にとられていました。
教授もさすがに面食らったようでしたが、そこは場数を踏んだベテラン、指導医に何事かを指示してその場は流れていきました。
さあ大変です。指導医やチームリーダーはもちろん、私も後輩の女医さんも、何が起こったのか全く分かりません。
何しろこちらには全く心当たりがないのです。

指導医やチームリーダーに相談し、結局のところじっくり話を聞くしかないと言うことで、2人して意を決してその患者さんの所へ。意外にすんなり話に応じてくれて、病棟の片隅でじっくり話を聞くと・・・・
要するに、私がニヤッと笑ったのが「『こんなことも知らないのか』とバカにして笑ったんだと思った」というではありませんか。そりゃもう必死になって否定しました。

結局、Pさんも笑顔で分ってくれましたが・・・。
そう言えば、医師になって最初の頃に、指導医から「悪いことは当然だが、いいことでも何でも、あまり顔に出すな」と言われました。もしかすると、先輩医師の言いたかったのはこういう事への警告だったのかも。
私が今でも割と難しい顔で診療をするのは、そういう経験があるせいかもしれません。
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