今年のノーベル医学・生理学賞は、大村 智さんとのことです。
おめでとうございます。


名前を見た時は、「おっ、日本人か。すごいなぁ」ぐらいにしか思わなかったのですが、その業績を見てびっくり。
なぜって、授賞理由が、イベルメクチンの元になる物質を発見し多くの患者を救ったと言うものだからです。

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イベルメクチン。
オンコセルカ症やリンパ性フィラリア症の特効薬だと報道されています。
日本ではそう言った寄生虫感染症は、現在ほとんど見かけません(日本でも20世紀半ば頃まではフィラリアの一種であるバンクロフト糸状虫によるリンパ性フィラリア感染症が存在し、像皮病と呼ばれていました)が、イベルメクチンは結構使われています。
ウィキペディアなどを読むと記載されていますが、ダニ感染症である疥癬の治療薬としても使われるのです。
余談ですが、「疥癬」だなんて、もはや一般の方にはほとんどなじみのない病名でしょう。
戦後を知る世代だと懐かしい病名かも知れません。
ですが、今でも頻度は少ないながら全国どこででも起こり、病院や介護施設の関係者にはよく知られた感染症なんです。
つまり、国内でも思いっきり現役で使われる薬だということです。

余談ついでにもう一つ。
TV報道では、イベルメクチンを「抗生物質」としている局が多かったのですが、ちょっと待った。
一般的に、抗生物質は細菌などの微生物をやっつける薬に使われる用語で、寄生虫の薬には不適切です。
我々は「駆虫剤」と呼ぶことが多いですが、なにしろ「抗生物質」はやめて頂きたい。
・・・まぁ、細かいことですが。


話を元に戻しましょう。
実は私も、病院の中で何人もの疥癬患者が発生したせいで、つい最近までこのイベルメクチンを結構頻繁に処方していて、かなりお世話になった薬だったんです。

そう言うことがあったので、イベルメクチンの発見に寄与したなどと言われると、「おお~~~っ」ってなる訳です。


それともう一つ。

各種の事前予想をネットで見てみると、ほとんどノーマークだったようです。
そりゃそうでしょうね。
再生医療とか分子遺伝学など、最近流行の、まさに最先端分野とは全くかけ離れていますから。
そう言う人がノーベル賞を貰ったと言うのは、昨今の科学界やマスコミの風潮を嘲笑っているようで、痛快です。
定時制高校の教師をやっていたとか、地方大学出身者だとか、北里研究所(=私立)で業績を上げたとか、痛快な部分は他にもあるのですが、まあ置いときましょう。


そんな訳で、我々も間接的に大~~~~いにお世話になっている先生だと言えます。
とにもかくにも、大村先生の功績を大きく称えたいと思います。

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・・・等と言っていたら、投稿直前に、物理学賞でも日本人が獲ったと言うではありませんか。
梶田隆章さん、ニュートリノの質量を発見した人だとのことですが、この方は去年も事前予想に上がっていましたね。
そりゃそうでしょう、素粒子物理学の常識をひっくり返した人です。当然の結果ですね。
おめでとうございます。
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