先日、サテライトの診療所である仁愛診療所のHPに、自律神経失調症の記事を追加しました。
原稿を書き上げただけですので、アップされるのはもう少しかかるかもしれません。


自律神経失調症は、一般の方のみならず、医師を含む医療従事者でも誤解の多い病気です。
誤解というより、見解が一定していないと言った方が近いかも知れません。


自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
自律神経失調症とは、この2つの神経のバランスが崩れてしまった状態で、そのために様々な症状が出ます。

実はこの自律神経失調症、一般的によく見られる自律神経失調症と、数の少ない自律神経失調症があります。
多い方の自律神経失調症は、やれめまい・ふらつきだの、不眠だの、便秘や下痢だの、頭痛だのと、全身のありとあらゆるところに、あまり一定の傾向の無い様々な症状が出ます。この症状は人によって本当に千差万別で、その他にも冷えや火照り・のぼせ、肩こり、胃もたれ・食欲不振、耳鳴り、眼のしょぼしょぼ感、動悸・息苦しさ等、本当に多彩な症状が出ます。
また、これらの症状は精神状態と密接にかかわり、いわゆる心身症の側面を持ちます。
つまり、精神的な原因で体の症状が出るし、身体の症状がストレスとなって、またメンタルが不調になる・・・という悪循環にはまるのです。


それでも、この自律神経失調症は、自律神経の不調の程度としては、軽~中ぐらいと言っていいと思います。
それほど重大な病気につながる訳でもなく、まして命を落としたりすることはありません。その一方、本人の苦痛は強烈で、この辺、医師と患者さんの間に温度差が出やすく、時にトラブルになります。

悪い事に、この手の自律神経失調症は、病気としての定義や診断基準が明確化されている訳ではなく、そもそも本当に自律神経が不調になっているのか、検査でなかなか検出できないと言う面もあります(自律神経の機能検査は難しく、実施できる病院がかなり限られるうえ、心身症ぐらいだとあまりそんな検査しません)。
医師としての経験上、確かに自律神経の不調なんだろうなとは思うのですが、検査で裏が取れないのはなかなか痛い所です。むしろ、種々の検査―――血液検査や尿検査、レントゲン、CT・MRI、心電図、脳波、PETやSPECTなど―――を行っても、症状を説明できるような異常は何も見られない、というのが一般的です。そんなわけで、この手の自律神経失調症は、精神科や心療内科によく見られます。
また、症状が頭痛なら神経内科や脳外科、胃腸の不調なら消化器、胸の動悸などなら循環器、冷えやのぼせ、生理不順なら婦人科、めまいなら耳鼻科・・・といった具合に、どこの科でも患者さんがいます。

という訳で、巷で非常によく見られる「自律神経失調症」は、患者さんはすごく多いのですが、実は検査では診断が確定できず、医師も患者も、お互いにどうしていいかわからずに困っているケースはとても多いと思います。

治療については、今回は割愛します。

次回は、数の少ない方の自律神経失調症について述べたいと思います。
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